年賀状ページ(平成29年(2017)12月作成、令和7年(2025)5月7日最終更新)

過去にお送りした年賀状の解説

ピラミッド図
初めて年賀状としての版画を作成したのは、小学1年の時、母の勧めによる紙版画である。
モチーフは、当時興味を持ち始めていたエジプトのピラミッドとスフィンクス。
作品が出てくればここにUPする予定。
写真は、後に実際に行ったピラミッド。

以降年賀状は木版画を主に書いて来たが、今となっては恥ずかしい、稚拙なデザインである。
時には市販の物で済ませたり、ペンのみで書いたり。
これらの作品は出て来てもUPはしない。
大学受験の年はほとんど書かず。九州国際大学時代は、「大学生にもなったのだから、ちょっとは格好良いのを作りたい」 とデザインを練って時が経ち、
時期も大幅に過ぎたので「もういいや」と書かずじまい。

翌年、「前年は書かなかったから今回はその分もっと良いものを作ろう」と考えている内に時が経ち、「もういいや」 と書かずじまい。

翌年、「2年も書かなかったのだから今回はその分もっと良いものを作ろう」と考えている内に時が経ち、「もういいや」 と書かずじまい。

この悪循環は九国大卒業後社会人となっても続いた。
しかし年賀状の事は毎年考えていた。

会社で異動になった先は当番制で朝礼スピーチを行う本社系の部署であった。
ある時、「年賀状」をスピーチのネタにし、終わりにはその場を借り、年賀状復活宣言をした。
寒中見舞い2005
年賀状には間に合わなかったが何とか復活を成し遂げた。
「夜、梅の木に上る白猫」(2005年)
以降、全て木版画にこだわる。
2006
2006年、古代エジプト、アヌビス神。エジプトは動物の宝庫だ。動物ネタはほとんど困らない。
落款は弟が作ってくれた。
この年の正月、念願のエジプト旅行に行く。

2007
2007年、フリー素材のイノシシの図を用いる。フリーとは言え、縁の無い人の図を我が物顔で使用するのはあまり良い気持ちがしない。
この年、初めて干支に因んだ四字熟語を入れてみる。
干支に因んだ言葉を入れるのは、長崎在住時代、ゲームセンターで「上海」というパズルゲームをやると各面で干支に因んだ故事成語が表示される事からヒントを得たのである。
当webサイトのURLは毎回入れる定型句なので業者にゴム印を作らせた。
2008
2008年、マチュピチュ。職も変え前年にはサイバー大学世界遺産学部に入学、ゼミでの発表がマチュピチュであったので、これにした。
2009
2009年、サイバー大での学業が思うように進まず、年賀状は断念。クノッソス宮殿のミノタウロスをモチーフにしようとは考えていた。
2010
2010年、フリー素材の虎図に「不入虎穴不得虎子」。
2011
2011年、フリー素材のウサギ図に「始如処女後如脱兎」。
逃げる意味の語が入っているのは正月の挨拶には好ましくない、と語弊があるかも知れないので、静と動の例えととらえてもらう様、前段も加えた。
2012
2012年、サイバー大やはり上手く行かず重症、年賀状断念。
上野に来たボストン美術館「雲龍図」を見たのでこれをモチーフにしようとは考えていた。
2013
2013年、巳年。前年父が亡くなり年賀状を出さず。
2014
2014年、エジプト新王国時代によく見られる「チャリオット」に「風檣陣馬」。
モチーフにするものは、他人の造形物とは言え、著作権が切れている点も加え歴史的文化財であれば気兼ね無く使用できる。
これに故事成語等の言葉を入れるスタンスが確立された。
この年賀状が完成したのは寒中見舞いにも遅すぎる3月、サイバー大も退学せざるを得ないのか、とにかく絶望的であった中、 最後の力を振り絞って作った感じ。無関係な人には苦しい顔を見せたくないので会社では涼しい顔をし、丁度この頃は他の事業所に 応援に行ったりもしていた。

2015
2015年、表参道の根津美術館「双羊尊」に「順手牽羊」。
「じゅんしゅけんよう」は兵法三十六計の第十二計にあたる戦術。
前年は何度も根津美術館に足を運び双羊尊を観察した。

2016
2016年、日光東照宮の「親子猿」とナスカ地上絵の「猿」に「六窓一猿」。これは禅の言葉。
色の三原色を利用し、三色三回刷りで済む方法を試みたが、あまり上手くなかった。
三猿にしなかったのは、子供に悪い物を見せない言わせない聞かせない、という教育理念は確かに有効だが、正月の挨拶に、 「あれ駄目これ駄目」な事を言うのもどうかと考えていた所、遠くを見渡す姿の猿が居たので、これこそ正月に相応しいと直感したからである。
2017
2017年、エジプト、「メイドゥムの鴈」に「三枝之礼」。
鳥類の文字は含まれていないが、意味は鳥に因んだもの。 遠目の全体図と部分拡大図を一枚の絵に収めるのは近年自分が好む構図。

2018
2018年、
ポンペイ遺跡のモザイク画「CAVE CANEM」と「猛犬注意」。
ポンペイはイタリア、ローマ時代の都市、西暦79年ヴェスヴィオ山の噴火により街は一昼夜にして火山灰に埋もれてしまった。
この犬は後に「悲劇詩人の家」と名付けられた家から発掘された玄関床のモザイク画であり、この家の犬を飼った思い出が生き生きと伝わってくる。
「cave canem」はラテン語で直訳すると「犬に注意」。日本語の「猛犬注意」に相当するのか、「小型犬を踏まぬ様注意」なのかは不明。 只、日本に於いての「猛犬注意」も色々な意味を持たせる事が可能であると考える。本来の意味の他に、猛犬かどうかはともかく防犯効果を期待して 表記したり、「うちにはバカ犬が居ます」と謙虚さで表記する人も居るだろう(卑屈は嫌いだが謙虚は好き)。犬が苦手な客人が不必要に怖がり恥ずかしい思いをせぬ様に大人しい犬でも敢えて「猛犬」と表記する例も有るかも知れない (「貴方は過剰に犬を怖がり御自身を異常だと思っているかも知れませんが、この犬は獰猛なので貴方の怖がる感覚は正しく、決して異常なんかではない」等と)。
下に「頑張る」と書いてあるのは、自分宛てに出した手紙であり目標を書いているのだ(後にスキャンしてここで公開する為差し障り無い文言にしている)。

2019
2019年、平成31年
「イノシシのはく製」に背景は「数理模型」と「猪突豨勇」
このはく製も数理模型も東京駅前KITTE内、インターメディアテクに展示されている。
近年自分の年賀状コンセプトは、歴史的価値のある文化芸術等(他、自然遺産も有り得るかも)に四字熟語、故事成語等の文字を入れているのだが、 このイノシシのはく製は恐らく歴史的価値も特別に有る訳でなく又、芸術作品と言えるものでもないだろう。しかし、「博物館に展示されているもの」としてはここでモチーフとしている ものと似た存在なのだ。そして、背景に同博物館に展示されている物を書き入れる事によって、このイノシシがどこの物か分からないイノシシではなく、「インターメディアテクのイノシシのはく製」 としてアイデンティティを持たせる事が出来ると考える。
数理模型は同博物館で初めに興味を惹いたもの。標本棚にずらりと様々なモデルが陳列されている。そして、2018年ゴールデンウィークに丸の内のイベントでストリートピアノを弾いていた頃には既にイノシシ目当てに同博物館に 頻繁に通う様になっていた。
旧東京中央郵便局舎という重要文化財に値する建造物が一部を残し再開発されJPタワーとなり、その中にKITTEが在る(1階には郵便局も在り)。

2020
2020年、令和2年
「古代エジプト版鳥獣戯画」と「窮鼠噛狸」
19王朝(1293BC~1185BC)頃のパピルスに書かれものに着色してみた。
鼠主人に猫が酒を注ぎ髪を梳かし子守りをしている。
「窮鼠猫を噛む」は「最後まであきらめるな」と言う意味を込めて用いられる事が多いであろうが「思わぬ反撃が有るから攻撃する時は逃げ道を残してやれ」とも取れる。
当年賀状「12支+故事成語等シリーズ」の絵と故事成語等のストーリー的関連は無く、その年の12支の文字が含まれているというだけである。今回「窮鼠噛猫」ではなく原文の「狸」にしたのは、 絵の中に猫が居り、語弊を避ける為のもの。
世界の文化遺産を見渡して見ても鼠をモチーフとしたものはあまり無く年賀状構想の段階で早くからこのパピルス画に絞られていたのだが、木版画で輪郭線等細い線を凸として残すのは好きではなかったので 最後まで悩んだ。しかし彫ってみると何の事は無く、それよりも凸に囲まれた細かな凹を掘る方が大変だと気付いた。

2021
2021年、令和3年
「雄牛跳び」と「汗牛充棟」
雄牛跳びは1500B.C頃、ミノア文明、クレタ島、クノッソス宮殿のフレスコ画である。
中心の牛を跳び越えている人物と両サイドにはアシスタントが居る。一般に色黒の肌は男性、色白の肌は女性とされているが この壁画では色白の者も男性と同一の服装であり、アシスタントの両者は通過儀礼を実施中の少年であるとする説がある。
汗牛充棟は蔵書が非常に多い事の例え。書物を牛で運搬すれば牛は汗をかき、家の中で積み上げれば棟木迄届いてしまう様を表している。
書物が多いのは幸福な事ではないか。

2022虎
2022年(令和4年)寅年
東京、神楽坂、毘沙門天善國寺の「石虎」と「伏虎地二」
毘沙門天は古代インドの神を起源とし、その遣いはムカデであるが、日本独自の風習で虎が遣いとされている。 伏虎地二は少林寺拳法の技の名称であり「ふっこちに」と読む。市民権を得ている言葉ではないが、それを承知であえて平然と年賀状に掲げてみたかった。 分からない語句を調べ少林寺拳法にたどり着いた時「こいつは少林寺をしているのだったな」と思い出してくれても良いし、 又、武道の世界では奉納演武という概念があり、新年の挨拶に伏虎地二を貴方に奉げますという意味も込めている。 立体描写と平面描写を一枚の絵に収めるのも近年自分が好む構図。平面図は虎像の台座に彫られたレリーフ。
2023兎
2023年(令和5年)卯年
さいたま市鎮座、調神社(つきじんじゃ)の「手水舎の兎」と「玉兎搗薬」
「ぎょくとどうやく」は兎が月で不老長寿の薬を作っているという中国の故事によるもの。
それまでの年賀状は文字部分をパソコンに予め入っていたフォントで書きそれを版画に起こしていたが、 今回は母の手ほどきを受け自分で書いたものを版画に起こしてみた。
どうか皆様、健康で長生きしてください。
2024辰
2024年(令和6年)辰年
千葉県東庄町鎮座、東大社(とうだいしゃ)の「龍の彫り物」と「雲蒸龍変」。
11月半ばに東大社に見学に行った足で銚子へ行ってみると犬吠埼灯台下に灯台と同じ白い色の郵便ポストが在る事を知る。 このポストに投函すると、郵便局で押される消印が銚子の風景印となるとの事で、もしも年賀状投函が遅れた場合は ここから出そうと決めていた。3月15日に犬吠埼にホテルの一室を借り気合を入れて年賀状を仕上げ翌16日に投函する。 この白いポストの周りは幸福に満ちた空間であった。旅行者達が写真を撮ったり、皆が楽しそうに集っていた。
東大社は父方祖父の生家、銚子は父方祖母の故郷。
画像は届いた頃UP予定
2025年(令和7年)巳年
「ウラエウス厨子装飾」と「常山蛇勢」
古代エジプト、18王朝(B.C.1550~1290年頃)の、コブラが頭に太陽神ラーを載せている像。高さ14cm。厨子を守るように連続配置されている物が 他で出土しており、当該遺物はそれと同様の物と思われる。
東京、渋谷の古代エジプト美術館所蔵、前年10月、地方巡回の記事で当該遺物の存在を知り新潟で展示をする機を狙い見に行く。
年賀状デザイン練り始めはいつも早いのだが、発色も良くない水彩絵の具、ずれや擦れと上手く付き合わなければならない木版画で、果たして意図するものが 伝わるのか等を考え完成が遅れる。気軽に彫り直しが出来ず、一発勝負なのである。
年賀状は、郵便局が消印を押さないのが通例であるが、年賀状扱いをされない程発送が遅れたのなら、縁やゆかりの有る地の風景印を押してもらう と言う楽しみを見つけた。今回は東京、西荻窪。5月7日郵便局持参。


手作り年賀状を再開して思った事。
●完璧を目指して進まないより少しずつでも前進したほうが良い。
(完璧を目指し事実完璧に仕上がれば一番良いが、いつまでも留まるくらいなら出来が悪くてもまず一歩踏み出した方が良い)
●一時、年賀状を出さない空白時期が有ったからこそ再開時に良いものが出来る様になった。
(見せられる位にはなった)
年賀状への思い
●届いた年賀状は家族団らんツールでもあると考える。
●版画は父もよくやっていた。(家族写真を一色刷り版画に起こす物が多かったか)
●手作りが絶対に良いとは思わない。市販の物を購入するにしろ、パソコンで作るにしろ、電子メールで文字データのみを送るにしろ、
送り手は心を込めて書いている筈である。
●年賀状を書く習慣のない人も居るが、習慣の無い物で無理に返す必要も無く、以前有って楽しかったのは、
年賀状を書く習慣が無い様で返事はもらえなかったが、仲良し女の子2人がバレンタインデーにお菓子を袋に詰めて職場の皆に配って居た事だ。
●年賀状作成ソフトが入ったワープロを12年使い倒す者も居た。とっくにパソコンも個人で所有し目まぐるしく新しいものが出る世の中、 既に持っている物を大事に使う精神に感心した。
●梅と白猫の寒中見舞いを書いた返事で、ある友人からはFlash動画で返事が来た。それは雪だるまがスキーをしながら山道を下って行き 露天風呂にポチャンと落ち熱で溶けてしまうと思ったら、実はお猿さんで良い気持ちで入浴をしている。というもの。インフルエンザで会社を休み、 一人苦しく寝ている時に届いたので元気付けられた。
●自分は「年賀状」が好きなのか「版画」が好きなのか?多分、「年賀状×版画」が好きなのだと思う。(勿論頂く物は「年賀状」だけでとても嬉しい)
例えば、”形のいびつな物を目上の人に贈るのは失礼なので、自作年賀状はマナー違反”と言う世の中であったとして、果たして楽しんで年賀状を書くか?書かないと思う。
又、年賀状の機会以外で積極的に版画を彫っているかと言うと、彫っていない。それ故自分が好きなのは「年賀状」単体でなく「版画」単体でなく、「年賀状×版画」であると考える。
所謂「謹賀新年」の類の語が入っていない利点
●作成が遅れ寒中見舞いとなっても使用出来る。
●喪中と知らず年賀状を出してしまう事も有り得る。
●年賀状を出していない方には名刺代わりとして、又はちょっとしたお礼状等にも使用出来る。


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